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【馬鹿騒ぎに抗うシリーズ】インフルエンザと漢方対処法----ツムラ医家向けメールマガジンより [東洋医学]

あきば伝統医学クリニック院長・秋葉 哲生 先生に聞く

<インフルエンザ初期症状に麻黄湯>
漢方はインフルエンザに昔から対応していました。その歴史は約2000年前に遡ります」と説かれるのは、あきば伝統医学クリニック院長の秋葉哲生先生。初期のインフルエンザであれば、柴胡桂枝湯、麻黄湯、桂枝湯、五積散、香蘇散、麻黄附子細辛湯の単独使用で、1〜3日の経過観察で十分可能としている。

 抗菌剤は3日以降に膿性喀痰などを伴う場合に用いる。また、解熱鎮痛剤は通常不要だが、使用する場合は頓用とする。上記の方剤は、鎮咳作用や去痰作用が期待できるため、通常は鎮咳剤や去痰剤は使わない。

 秋葉先生は特にインフルエンザの初期症状に対し、麻黄湯を勧める。この方剤は「脈がしっかりしていて、頭痛、発熱、関節痛、悪寒症状が強く、歩いて来院されてきた方に用います」(秋葉先生)。また、麻黄湯など漢方薬は「抗ヒスタミン作用がなく、仕事に行っても眠くならないのが利点です」(同)と強調。

 麻黄湯は2・3日使用し、その間、十分な水分補給と発汗を促すようにするのが早期回復のポイントだ。用量としては、成人7.5g/日分3、小学生5.0g/日分3、3歳児未満2.5g/日分3が目安である。病後の衰弱期、著しく胃腸虚弱な人、食欲不振、悪心、嘔吐のある患者さんには慎重投与が必要である。

 その後、倦怠感や微熱、食欲不振などの症状がある場合、小柴胡湯や柴胡桂枝湯を4、5日用いる。これらの漢方薬には「衰弱した体を回復させる効果があります」(同)。

 熱が下がって、乾いた咳や、気管支炎が残った場合は、麦門冬湯を使用する。感冒の諸症状が見られなくなり、倦怠感や食欲不振の症状がある時は、補中益気湯を使う。
 

<体力の弱い高齢者に香蘇散、麻黄附子細辛湯>
 体力の弱い高齢者には、香蘇散を用いる。「他の西洋薬や漢方薬が使いづらい胃腸虚弱にも適しています」(同)。このほか、高齢者に適した漢方薬に、麻黄附子細辛湯、柴胡桂枝湯がある。麻黄附子細辛湯は原則として冷えや悪寒があり、咽頭痛などを伴う症状に用いる。またアレルギー性鼻炎にも応用される。

 秋葉先生は「高齢者には香蘇散か麻黄附子細辛湯を用いますが、虚弱で熱の上がり方が顕著でない場合は香蘇散が適しています」と話す。

 インフルエンザがこじれた時は、小柴胡湯を使う。この方剤は感冒の症状が5日以上長引き、食欲も低下、咳や痰を伴う場合に適している。
 高齢者でややこじれた時に向いている方剤に、参蘇飲、竹茹温胆湯がある。

 秋葉先生は「1918年に世界的に猛威を振るったインフルエンザのスペイン風邪に対し、西洋薬はあまり対処できませんでしたしかし、当時の漢方名医である森 道伯先生は漢方を処方し、漢方の有用性を示した記録が残っています」と語られた。

 また、漢方によるインフルエンザ治療は医療費が少なくて済むのもメリット。「漢方治療は短期間で結果が出るため、処方日数が短く医療経済的に優れています」(同)とアピールされた。

 麻黄湯をはじめとした漢方治療が、インフルエンザ急性期にも、また遷延期(慢性期)にも有用であることが、お二人の臨床医から直接うかがうことができた。なお、一般に漢方製剤の小児用量は規定されていないが、ハルナック換算表を参考とした以下の量が目安とされている(「一般用漢方処方の手引き」)。

・15才未満7才以上 成人用量の2/3
・7才未満4才以上 成人用量の1/2
・4才未満2才以上 成人用量の1/3
・2才未満      成人用量の1/4以下

*また体重換算では、成人1日量が7.5gの場合、0.15g/kgが目安となります(成人体重を50kgと仮定した場合)。

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