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転移性肺癌の成長を阻止----天花粉(=ベビーパウダー)で血流を遮断 [代替療法]

 米・ フロリダ大学の肺クリティカルケア医学部長のVeena Antony教授らは、タルクが転移性肺癌の“魔法の弾丸”と言われるホルモン「エンドスタチン」を産生する健康な細胞を刺激することをEuropean Respiratory Journal(2007; 29: 761-769)に発表した。同教授は「驚くべきことに、タルクが腫瘍の成長を遅らせ,実際に腫瘍を縮小させることを見出した。タルクは、一般に治療不能と思われていた癌の興味ある新しい治療薬である」と述べている。

<新生血管の形成を阻害>
 タルカム・パウダー(Catsduke注:天花粉。タルクを使用したベビーパウダー。シッカロール等のこと) は、乳児のおむつかぶれ予防や女性の化粧品として何世代も使われてきたが、Antony教授らにより、この家庭の常備品が転移性肺腫瘍への血流を遮断することで癌の成長を抑制する能力を持つことが明らかになった。


[写真:ベビーパウダーの例。Johnson & Johnson社の製品]


Abstract
 Talc remains the most effective sclerosing agent for pleurodesis. However, its mechanism of action in resolving pleural malignant disease remains unclear.The present study evaluated the angiogenic balance in the pleural space in patients with malignant pleural effusions (MPE) following talc insufflation.Patient pleural fluid samples were collected both before and after talc insufflation. The ability of pleural mesothelial cells (PMC) and malignant mesothelioma cells (MMC) to produce endostatin in vitro was compared. The biological effects of pleural fluids and conditioned media from talc-activated PMC on endothelial cells were evaluated by performing proliferation, invasion, tube formation and apoptosis assays.Pleural fluids from patients with MPE who received thoracoscopic talc insufflation contained significantly higher levels of endostatin (median 16.75 ng・mL-1) compared with pre-talc instillation (1.06 ng・mL-1). Talc-activated PMC released significantly greater amounts of endostatin (mean±SEM 1052.39±38.66 pg・mL-1) when compared with a MMC line (134.73±8.72 pg・mL-1).In conlusion, talc alters the angiogenic balance in the pleural space from a biologically active and angiogenic environment to an angiostatic milieu. Functional improvement following talc poudrage in patients with malignant pleural effusions may, in part, reflect these alterations in the pleural space.


<アブストラクト:Catsduke訳>
 タルクは胸膜癒着術のための最も効果的な硬化薬であり続けている。しかし、胸膜の悪性疾患を回復させる作用機序は未だ不透明のままである。本研究では、癌性胸水 (MPE)のある患者の胸膜の間隙における血管新生のバランスをタルク注入後に評価した。患者の腹水サンプルはタルク注入の前後に集められ、胸膜中皮細胞(PMC)と悪性中皮腫細胞(MMC) の試験管内エンドスタチン産生能が比較された。胸水とタルク注入後に活性化された内皮細胞上のPMC由来の条件培地の生物学的効果が、増殖・浸潤・管形成・アポトーシスの諸試験を行うことで評価された。
 胸腔内視鏡下でタルク注入を受けたMPE患者の胸水は、タルク注入前 (1.06 ng・mL-1)に比して有意に高いレベルのエンドスタチン(中央値16.75 ng・mL-1)を含んでいた。タルク注入後に活性化されたPMCはMMCのライン (134.73±8.72 pg・mL-1)に比して有意に多量のエンドスタチン(平均±標準誤差 1052.39±38.66 pg・mL-1)を含んでいた。
 結論として、タルクは胸膜の間隙における血管新生のバランスを、生物学的に高活性で血管新生優位な環境から血管新生抑制的な胸膜環境に変化させている。タルク注入法を受けた癌性胸水を持つ患者の機能改善は、部分的には胸膜の間隙におけるこれらの変化を反映したものだろう。

 同教授は「タルクは新生血管の形成を妨げ、それにより腫瘍を死滅させたり、成長を抑制したりすることができる。タルクの投与で腫瘍の成長が遅延し、一部の症例では完全に消失した」と述べている。70年もの間、転移性肺癌に随伴する呼吸障害の治療には鉱物が用いられてきたが、タルカムパウダーが腫瘍の成長を抑制することが研究者らにより発見されたのは、つい最近のことである。

 肺表面の周囲に液体が貯留する悪性[=癌性]胸水は、全肺癌症例の約半数に見られ、この液が肺を圧迫して呼吸困難を招くため、重度の息切れを引き起こす。
 胸水は胸部・肺あるいは消化管に発生した癌が全身に広がったことを示している。このような病状に苦しむ約20万人の患者の予後は悪く、多数の患者が6か月以内に死亡する。症状を少しでも軽減するため、液が集まる肺と胸壁の間の余分な間隙を閉鎖するが、その場合に重要なことは2つの胸壁の表面を密着させることである。

<予測より18か月長く生存>
 タルクを患者の胸腔内に吹き込むことにより、刺激された組織にわずかな擦過傷ができる。肺組織が治癒すると、タルクは患者の呼吸を妨げることなく胸腔に永久に付着する。この胸膜癒着術は胸腔内視鏡を用いて行われるが、この手技の効果は直ちに発現し、しかも生涯持続する
 Antony教授は「呼吸ができずに死に至るのは耐え難いことであるが、この手技により患者も救われるし、家族も愛する者の苦痛を見て悲惨な思いをせずにすむ」と説明。「この手技は欧州ではきわめて広く普及しているが、新しい技術を習得しなければならないためか、(米国では)まだ徐々にしか受け入れられていない」と付け加えている。

 米食品医薬品局(FDA)は2003年に胸腔内視鏡によるタルクの使用を承認したが、外来患者に日常的に同処置を実施している米国の医療施設はフロリダ大学を含めわずかしかない。同教授らは,胸腔内視鏡によるタルカムパウダーの施術例では、予測より18か月長く生存しているのを見出した。同教授は、その原因の解明のため、悪性胸水のある16例から採取した浸出液をタルクの散布前後で比較し、このような驚くべき結果を得た。

<エンドスタチン産生を確認>
 Antony教授は「実はわれわれもタルクには瘢痕を生じさせることにより肺周囲の液体を取り除くほか、別の効能もあることがわかり驚いている。肺の内膜を覆う細胞がタルクにより刺激されて血管の成長が阻害され、腫瘍細胞自身を死滅させる因子を産生している」と述べている。
 タルクを用いた治療を始めると、 1日以内に健康な肺細胞から放出されるホルモン「エンドスタチン」が10倍以上も産生される。エンドスタチンは新しい血管の形成を妨げ、細胞の成長を遅らせ、近くにある腫瘍細胞を破壊することさえある。このような作用により、健康な肺組織への腫瘍の拡大が抑制される。

 1997年のエンドスタチンの発見当時,医師らはこのホルモンが腫瘍を攻撃して癌が治癒するであろうと期待したが,おそらく大部分の医師が患者にホルモンを直接注射してしまったためか,臨床試験は期待外れの結果に終わっていた。ホルモンが癌の拡散を遅らせるようになる前に、体内で分解してしまっていたのだ。エンドスタチンは半減期が非常に短いため、体内に一時存在しても消失してしまうのである。

 同教授はタルクによる胸膜癒着術を受けた症例を対象に長期間のアウトカムを調べた。その結果、「われわれは正常な胸膜中皮細胞に継続的にエンドスタチンを産生させることができた。タルクは消失しないで胸腔内にとどまり、腫瘍の成長を阻害するこの因子を正常な細胞に持続的に産生させた。タルクの抗腫瘍効果は長期間持続するものと考えられる」と述べている。さらに「このような安価で簡単に入手できる昔からある製品が癌の治療に有効で、患者を延命させることができたことは驚きである」と付け加えている。

 ハーバーUCLA医療センターの呼吸器・クリティカルケア医学のYossef Aelony教授は、フロリダ大学の研究結果を重要なマイルストーンであるとし、「肺癌・中皮腫・転移性腺癌を含めた胸膜の悪性腫瘍の治療を扱う将来の臨床試験に重要な影響を与えるのではないか」と評価している。[MT誌07年7月19日 (VOL.40 NO.29) p.15]


【コメント】
 肺癌の胸水を防ぎ、果てはエンドスタチンを誘導し、癌の栄養血管を塞栓し血管新生も阻害し増殖を防ぎ、患者のQOLを改善するばかりか、ガン自体も破壊しうるとは驚きで、それが何と、子供時代、親におしりにはたいてもらった、あの「天花粉」で可能なのだ、しかも、こういう非侵襲的で安価な代替医療がヨーロッパでは一般的なのに、日米のような過剰医療推進国では情報すらなかったということに、医療関係者だけでなく、医療消費者は怒りを覚えるべきです。

 ステージの高い肺癌患者にまで無意味で侵襲的な「治療という名の拷問」をして恥じない医師連中が多い中、もし日本の臨床医で欧州留学などでこういう情報を既に得ていて治療に応用している方がいれば素晴らしいのですが。

 こうした記事が読まれることで、安全で効果的な代替療法が普及することが望まれます。


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