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β細胞を救う課題に挑戦ーー糖尿病の発症に決定的な役割 [糖尿病]

 BMIが40近くに上昇し、高血圧・脂質代謝障害などに悩まされる完全像のII型糖尿病患者は健康人と比べて大きな差があるが、これほどの違いを生み出しているのは,容積にして2mLにも満たない膵β細胞群(ランゲルハンス島)である。ギーセン・マールブルク大学病院(UKGM,ギーセン)第3内科のReinhard Bretzel教授は「最新の知見によると、筋組織や脂肪組織におけるインスリン抵抗性だけでなく、β細胞の機能低下の促進が糖尿病の発症に決定的な役割を果たすと考えられている。このため、β細胞を救うという課題に糖尿病研究者の熱い視線が注がれている」とドイツ内科学会で開かれたMSD Sharp & Dohme社後援の討論会で説明した。

<DPP4阻害薬でβ細胞が再生>
 周知のように、II型糖尿病と診断された段階で、β細胞の本来の機能は約50%失われている。つまり糖尿病が無症候性であった8~10年間のうちに機能は低下し続け、メタボリックシンドローム発症時から、既にβ細胞の戦いは始まり「残念ながら敗退を余儀なくされた」のである。
  II型糖尿病の病態生理に関する理解が深まるにつれ、膵島細胞の再生を促す薬剤療法に期待が集まっている。特に、将来的に有望視されているのがジペプチジル‐ペプチダーゼ‐4(DPP4)阻害薬で、β細胞の新生・増殖・アポトーシスの抑制に有利に作用することがin vitro試験と動物実験で示されている

 複数の臨床試験から、DPP4阻害薬がβ細胞の機能を改善することは示されているが、ヒトにおいてもβ細胞量の保持や増加につながるかどうかを検証するための非侵襲的な測定法は現時点ではまだ開発されていない。このため、動物実験データはきわめて貴重である。
 例えば、糖尿病誘発マウスを対象とした実験では、DPP4阻害薬sitagliptineの誘導体を3か月間投与したところ,インスリンを産生するβ細胞数だけでなく、β細胞内に含まれているインスリン量も増加した。sitagliptine誘導体を投与したマウスでは,スルホニル尿素類のglipizidを投与したマウスと比べてインスリン分泌量が増加していたがグルカゴンの分泌は緩徐であった。
 こうした観察結果がヒトにおいても確認されれば,sitagliptineがII型糖尿病の発症と進行を抑制する可能性があると考えられる。

 ドイツでは,今年4月からsitagliptine(Januvia®)の販売が開始された。さらに,栄養療法と運動療法に加えて糖尿病治療薬の単剤投与を行っても血糖値が十分に低下しない場合に、血糖値管理の改善を目的として、塩酸メトホルミンまたはチアゾリジン誘導体との併用下で使用することが承認されている。
 sitagliptineはDPP4を阻害するため、内因性のインクレチンホルモンの作用は増強される。sitagliptineの抗糖尿病作用は、β細胞とα細胞の機能不全(肝内におけるグルコース産生の増強)やインスリン抵抗性に働きかけることにより発揮される。[07年8月9日 (VOL.40 NO.32) ]


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