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脂肪燃焼遺伝子が糖尿病悪化に関与する [糖尿病]

 瑞・カロリンスカ研究所のJuleen R. Zierath教授らはフィンランド・中国・日本・米国の研究者らとともに、糖尿病患者のインスリン抵抗性に関する新たな細胞機序についての論文"Downregulation of Diacylglycerol Kinase Delta Contributes to Hyperglycemia-Induced Insulin Resistance"(ジアシルグリセロールキナーゼδの発現低下は高血糖誘発性インスリン抵抗性に寄与する)をCell(132: 375-386)に発表した。


Summary
Type 2 (non-insulin-dependent) diabetes mellitus is a progressive metabolic disorder arising from genetic and environmental factors that impair beta cell function and insulin action in peripheral tissues. We identified reduced diacylglycerol kinase δ (DGKδ) expression and DGK activity in skeletal muscle from type 2 diabetic patients. In diabetic animals, reduced DGKδ protein and DGK kinase activity were restored upon correction of glycemia. DGKδ haploinsufficiency increased diacylglycerol content, reduced peripheral insulin sensitivity, insulin signaling, and glucose transport, and led to age-dependent obesity. Metabolic flexibility, evident by the transition between lipid and carbohydrate utilization during fasted and fed conditions, was impaired in DGKδ haploinsufficient mice. We reveal a previously unrecognized role for DGKδ in contributing to hyperglycemia-induced peripheral insulin resistance and thereby exacerbating the severity of type 2 diabetes. DGKδ deficiency causes peripheral insulin resistance and metabolic inflexibility. These defects in glucose and energy homeostasis contribute to mild obesity later in life.

[サマリー:Catsduke訳]
 II型(非インスリン依存型)糖尿病は、β細胞機能および末梢組織におけるインスリンの作用を障害する遺伝的・環境的因子により起こる進行性代謝障害である。我々は、ジアシルグリセロールキナーゼδ (DGKδ)遺伝子の発現低下とII型糖尿病患者の骨格筋におけるDGK活性とを同定した。糖尿病モデル動物においては、DGKδタンパク量とDGKδキナーゼ活性の低下は高血糖の是正により回復された。DGKδ遺伝子のハプロ不全がジアシルグリセロール量を増やし、末梢におけるインスリン感受性やインスリンの信号伝達やグルコース輸送を減弱し、年齢依存性肥満を導く。メタボリック・フレキシビリティーは、絶食時から摂食時への脂質から炭水化物利用への移行で明らかだが、DGKδ遺伝子ハプロ不全マウスにおいて損なわれた。我々は本研究で高血糖誘導性の末梢におけるインスリン抵抗性発生と、それ故II型糖尿病の重症度を高めることに関わるDGKδ遺伝子の未知の役割を明らかにする。DGKδ欠乏は末梢におけるインスリン抵抗性とメタボリック・フレキシビリティーの原因となる。グルコースおよびエネルギーの恒常性に関するこれらの欠陥は、中年期以降の軽度肥満に繋がる。

<血糖値の厳しい管理が重要>
 II型糖尿病では血糖値が上昇し、インスリン抵抗性が高まり、多くの重度な糖尿病の合併症発症リスクが増加する。

 Zierath教授らは、これまで不明であった糖尿病患者の高血糖状態インスリン感受性の障害を招く分子機序を見出し、"脂肪燃焼"遺伝子を同定した。この遺伝子は、細胞のインスリン感受性を維持するために必要とされる。また、同遺伝子は高血糖とII型糖尿病患者の筋組織中で減少することもわかった。同遺伝子によりつくられた酵素(Catsduke注:DGKδキナーゼ)が欠乏すると、筋肉のインスリン感受性は低下し、脂肪燃焼機能が損なわれ、肥満になるリスクが増加する。

 同教授らは「血糖値が上昇すると同遺伝子の発現は減少する。しかし、血糖値が薬剤治療や運動によりコントロールされれば発現は増加し、作用も回復する。今回の研究結果は、糖尿病患者にとって血糖値の厳しい管理が重要であることを強調している」と述べている。[Medical Tribune08年7月17日(VOL.41 NO.29) p.51にCatsdukeがサマリー訳と注を加えた]


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