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薬事法改悪に反対する署名にご協力をお願いします。 [医療の相対化]

[署名サイト]反対署名を厚労省へ「ネットで薬がかえないと困る!

 リバタリアン的ポリシーからして、絶対に許せません。厚労省はあろう事か、薬害被害者まで改悪にかり出していますが、そもそも大半の薬害は、サリドマイドのようなケースを除けば、決して売薬中心でもなかったし、その販売形態としてネット販売が普及しだしてからおこってきた訳ではありません。薬害を引き起こしてきたものは医療用医薬品、すなわち病院で処方され、かつてなら院内薬局、今なら門前薬局という調剤薬局で出されたものが大半です(参照:片平冽彦『ノーモア薬害』『構造薬害』『タミフル薬害―製薬企業と薬事行政の責任と課題』・浜 六郎『薬害はなぜなくならないか』『やっぱり危ないタミフル』など)。

 例えば、小柴胡湯による薬害も、それをインターフェロンと病院で併用したが故の薬害であり、ネットで多くの女性が購入したインチキ中国製ヤセ薬とは全く別問題です。ネット薬局から購入されたものではもちろんない訳ですし、中国製なら漢方薬、という味噌も糞も一緒にした素人談義のレベルの錯覚を意図的に用いているかのようです。

 多くのインターネット薬局は問診票を購入者に記入させ、患者の状態チェックをしっかりやっています。PL法をおそれてのことかと思いますが、市井の一般薬局=ドラッグストアの類の中には、例えば、かつてはガスターをパンシロンの如き普通の胃薬のノリでワゴンセールなどやっていたところも有り、よほどいい加減に売っていました。

 一般薬局の販売指導強化も念頭にはあるかとも思いますが、結局は圧力団体としての一般薬局とそこにつとめる薬剤師どもの利権の温存の問題です。

 書籍でいえば、町の一般書店は、その品揃えの薄さ、2代目/3代目/4代目となっていくうちに書籍や文化一般への愛を失い、一家言ある品揃えなどなくなり、単なる雑誌屋と化したが故に、コンビニやAmazonに負け、廃業を余儀なくされましたが、それは自業自得というものです。消費者はネット書店から大きな利便を受けたし、読みたくなったらすぐ本が手に入る状況は、棚が確保できない、高価で部数の少ない学術書/準学術書の類を出す出版社にも恩恵をもたらしています。

 一般薬局とネット薬局の薬を巡る構図は、上とロジカルには全くイソモルフィックです。唯一の違いは、本の読み過ぎ・濫用で死人は出ない(出る場合もある。笑)が、医薬品では危険性が皆無とはいえないという一点です。しかし、それは問診票をパスした上での販売を、ネット薬局開設の際にシステムに組み込まねばならぬ点を義務化して違反を取り締まればすむことです。薬剤師がいる一般薬局でもいい加減な販売をしている店は山ほどあります。

 問診表のシステムさえあれば、むしろ、一般薬局より細かなチェックが可能です。市井の、医薬品知識もあやふやな薬剤師(老人もいれば、若いくせにパソコンと首っ引きな奴もいる。薬学部を卒業していながらp450別に競合阻害する薬剤のリストも頭に入っていないのか。飲み合わせを検索せねば分からないなら、素人と同じだろうが!)どものいる、しょうもない薬局よりは遥かにネット薬局の方が市民の役に立っています。

 ネットで薬剤師に仔細に相談した上で適薬と思われるものを購入し服用しても症状が改善しない。そうなれば、一次診療を行う医院への受療アクセスも早まるでしょう。怪しい薬剤師どものいる、訳の分からない一般薬局をはしごした上で来院するようなケースが減るだろうからです。
 
 ぜひ皆様のご署名をお願いいたします。

【100621追記】
 うちの糖尿病猫タマの血糖値測定用のチップが「医療用医薬品」(!)扱いで、最近の厚労省の指導通達により、ネット通販ができなくなりました。購入履歴のある者は経過措置でネットで購入できたのですが、それもならんという訳です。明らかに規制緩和に逆行します。
 民主党政権になり、この自民党時代の悪法は改正され元に戻るという方向だったのに、ここでも官僚どもは既得権益や癒着の故に、かえって規制を強めてきています。鳩山ー小沢を情報操作で葬って、官僚組織にメスが入らないと思ったのか、やりたい放題です。

 最安値の店から購入するのは安価だというのもありましたが、近隣になぜかニプロが扱っているフリースタイルのセンサーが一切販売されていないからだったのです。身体障害者の方々やご老人がた、多忙な主婦の方々、郡部にお住まいの方々などの便宜というものを一切考えない、弱者切り捨ての、悪法・悪施策です。

 私は結局、ネット通販で、以前本ブログでご紹介したDiabetic Promotionsから31Gのシリンジ同様、個人輸入で購入することになりました。送料を入れるとトントンなのですが、送ってくれるのですから文句は言えません。ニプロのセンサーが切れたら、つなぎに予備のアボットのPrecision Xceedを使います。これは近隣のスギ薬局でもセンサーを売っているからです。しかし、これは採血量が倍必要で、タマには侵襲的なのです。

 いずれにせよ、実質同じ事が可能なのに、これでは日本に金が落ちないので、政府は損をすることになるのですが。アホちゃうかと思います。皆さんも愚法には反対の意志を示して下さい。

 ついでに、英語圏の情報を取れる方々には承知のことと存じますが、米国・官僚・マスゴミの癒着による情報操作で、この国の官僚のしでかしてきたことを一切免罪し、消費税値上げで国民にツケ回しして誤摩化して、国富をアメリカに貢ぐという属国でいさせ続けるための圧力に屈した売国勢力には、断固反対の意志をお示し下さい。
 沖縄基地問題然り、検察の国策操作然り、郵政反国有化法案流産化然り、消費税10%導入案然り……官僚は200兆円は埋蔵金を隠しています。1割持ってくれば値上げは不要です。どうせ米国債は紙屑になります。これ以上買い支えて何の意味がありますか。しかし「無駄な延命治療」のように、体中スパゲティにしているチュープから金を流し入れてほしいのです。サウジや日本という属国から……。愛国者なら郵便貯金の限度額を上げて、そっちに金を貯えて、国外流出を少しでも防がねばなりません。





薬事法改正により、インターネットで市販薬の7割近くが購入できなくなります


近くに薬屋がなく、車もありません。インターネットで薬が買えなくなるのは大変困ります。
外出が困難な障害者にとって、通販で薬が買えなくなることは致命的です。自由に買い物に出かけられる人ばかりではないことを理解してほしい。
幼児がいるので、買い物の時間は限られます。薬の内容をじっくり検討して購入するのにインターネット通販は必要不可欠です。
薬屋があっても、自分の欲しい医薬品がないと、何軒も探しまわる羽目に。ネットで購入できるのはとても助かります。
 
2月17日 一般用医薬品の通信販売継続を求める署名が累計で50万件を突破

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【馬鹿騒ぎに抗うシリーズ】インフルエンザ騒ぎとタミフル問題[転載] [医療の相対化]

『薬のチェックは命のチェック』インターネット速報版から、直近のインフルエンザ報道と、タミフル薬害と関連すると思われる分析を転載する。
『薬のチェックは命のチェック』インターネット速報版No126(09.8.18号)
 「新型」初の死者はタミフルの害では?
  腎不全で透析中ならタミフル蓄積⇒肺炎・多臓器不全併発の可能性大
    NPO法人医薬ビジランスセンター(薬のチェック)  浜 六郎

 沖縄県で2009A/H1N1インフルエンザ(いわゆる新型)に感染した沖縄県宜野湾市の男性(57)が入院先の病院で死亡したとの報道があった。死者は初めてとのことである。

 報道によると、この男性は心筋梗塞の治療歴があり、慢性腎不全で人工透析を受けていた。9日午後から、のどの痛みなどの体調不良を訴えていた。10日に病院で透析を受けた際、37度台の発熱があり簡易検査を受け陰性だった。12日、透析中に39℃に上昇したため再度検査を受けたところインフルエンザA型陽性と判明。タミフルを投薬され、中部徳洲会病院(同県沖縄市)に入院したが、14日未明から容体が悪化し、15 日午前6時54分に死亡した。

 県が緊急に感染確認のための詳細(PCR)検査を行った結果、15日午後4時ごろ、新型インフルエンザに感染していたことが分かったという。

「新型インフルエンザに感染したことで肺炎を併発し、その後、敗血症を起こしたことが死因とみられ」たり、あるいは「心疾患や慢性腎不全の持病があり、免疫力が落ちている状態で新型インフルエンザに感染し、急速に容体が悪化した」との県の説明が報道されている。しかし果たして、「新型」によるといえるのか。

<厚生労働省が公表している透析患者の死亡例>
 ここで厚生労働省が公表している死亡例の1人(症例番号40)を紹介して、 タミフルが透析中の患者に使用された場合に、1回使用するだけでもいかに重大な結果が生じうるか解説する。

 54歳男性。高血圧の既往歴があり。糖尿病、糖尿病性網膜症、慢性腎不全および頚椎後縦じん帯骨化症で入院透析を行っていたが、全身状態は極めて不良であった。入院から約6週間後、インフルエンザと診断。
 翌日夕方、タミフル75mgを1回のみ服用(併用薬はアジスロマイシンとミノマイシン)。服用の数日後、下痢および全身倦怠感が出現し、肝機能障害が出現。下血を繰り返し尿毒症症状が悪化し、その後出血性十二指腸潰瘍で死亡した。

<透析患者では1日以上後に血中濃度が6倍に>
 通常の腎機能の人と透析中の人を比較すると、抗ウイルス作用を有する活性体タミフルの血中濃度の動きは著しく異なる。

 最高血中濃度に達する時間は、通常3〜4時間に対して、透析中の人は4時間以降もどんどん上昇を続け27時間かかってピークの濃度に達する。その結果、最高血中濃度は約6倍に達する。血中濃度が半分になる時間は、通常5.5時間に対して、透析中の人は159時間と極めて長い。
 透析をすれば5分の1の血中濃度に低下するのだが、透析しない場合には、もしも1日2回使用されたとすると、血中濃度は腎機能正常者の12倍の状態が持続することになる。

<活性体タミフルで腎障害、肺炎、出血、多臓器不全>
 健康人を対象にインフルエンザ予防に用いた臨床試験で、腎尿路系疾患が有意に増加しており、小児の臨床試験では使用終了後の肺炎が有意に増加していた。市販後にも肺炎や多臓器不全の例も多数報告されている。

 動物実験でも、腎障害や肺炎・出血も生じている。これは、脳を抑制した未変化体のタミフルではなく、抗ウイルス作用を有する活性体のタミフルが人のノイラミニダーゼを阻害した結果と考えられる。

<少なくともタミフルによる有害事象−徹底的に調査を>
 国は、国立感染症研究所で、死亡した男性の検体を用いてウイルスの変異の有無を確認するという。タミフルとの関係に触れている報道やコメントはないが、少なくともタミフル使用後2日以内に容態が悪化し2日余りで死亡したのであるから、死亡は、タミフルの有害事象として扱われなければならない

 さらに、上で指摘したように、因果関係についてかなり濃厚である。少なくとも、その可能性は否定できないはずである。害反応(副作用)として徹底的に検討が加えられなければならない。

元記事:http://www.npojip.org/sokuho/090818.html

『薬のチェックは命のチェック』インターネット速報版No127(09.8.22号)
  09年型インフルエンザでタミフルによる害の兆候が続々と
   日本で2人目の死亡者も透析をしていた
  3人目は、非ステロイド解熱剤の使用につき検証が必要
   メキシコ(入院重症者)でも、米国妊婦でも死亡の危険が増大
    NPO法人医薬ビジランスセンター(薬のチェック)  浜 六郎

<日本で2人目の死亡者も透析をしていた>
 沖縄県で2009A/H1N1(いわゆる「新型」)インフルエンザに感染した男性に引き続き、 神戸市で2人目の死亡者が報道されましたが、この人も透析中でした。
 厚生労働省の発表によると、この人は70歳代の男性。肺気腫(肺から空気が出て行きにくいために呼吸困難になる病気)と 糖尿病があり、糖尿病による腎不全のために透析を受けていた。
 8月16日に38℃の発熱、息苦しさがあり、 17日に医療機関に受診し、検査でインフルエンザは陰性。 午後1時ころ状態不良のため紹介され別の病院に入院。 急性気管支炎による肺気腫の悪化と診断され、 迅速検査でA型インフルエンザ陽性であったために、 タミフルや抗生物質が使用された。
 18日午前6時20分、容態急変にて死亡。 死因は急性気管支炎による肺気腫の悪化とされた。 そして市で精密検査(PCR)をしたところ「新型インフルエンザ」が陽性との判定がでたとのことである。

 この方の場合は、タミフル服用からおそらく12時間前後で死亡しています。そして、容態が急変したのが午前6時20分とされていますが、詳細は不明です。急変に気づいたのが午前6時20分ということなら、それより前に睡眠中に死亡していた可能性はないのでしょうか気になります。いずれにしても、睡眠中に呼吸が抑制されて死亡したという可能性は否定できないのではないかと思われます。

 タミフルにより呼吸が抑制され突然死した可能性を考慮して、この点での徹底的な調査が必要でしょう。

 この人は、肺気腫、糖尿病、透析中というハイリスクの要因を3つ持っていたのですが、それにしてもA型インフルエンザと確認されて24時間以内での死亡というのは、インフルエンザだけによる死亡とするには余りにも早いのではないかと思われます。タミフルが関与していなかったかどうか、かなり強く疑われます。

<3人目は、非ステロイド解熱剤が使用されていなかったか検証を>
 3人目は、名古屋市の80歳代の女性です。 もともと多発性骨髄腫(骨髄のがん)と心不全があった方です。
 厚生労働省の発表によれば、8月13日39.5℃の発熱で入院。 15日咳がひどく状態がわるいので、個室に移る。
 17日簡易検査でA型インフルエンザ陽性。翌日精密検査(PCR)により 「新型」と判明。酸素吸入など実施したが、 19日深夜1時32分死亡。死因は重症肺炎とされた。

 この方の場合は、タミフルは使われなかったようですが、多発性骨髄腫ということですから、 この病気の一般的な治療として、ステロイド剤や抗がん剤が使用されていた可能性があります。 そこへ、39.5℃の発熱があったということですから、何らかの解熱剤が使われたでしょう。
 非ステロイド解熱剤が使われたなら、80歳を超えた高齢者ではしばしば、 尿が出なくなることがあります。もともと心不全もあったのですから、 2〜3日のうちに心不全が悪化して呼吸困難で死亡したという可能性があります。
 そうした経過がなかったのか、十分な検証が必要です。

<メキシコ(入院重症者)や米国妊婦でも死亡の危険が増大>は速報128号に掲載します。

 元記事:http://www.npojip.org/sokuho/090822.html
『薬のチェックは命のチェック』インターネット速報版No128(09.8.24号)
 タミフルによる害:米国妊婦、メキシコ重症者で死亡危険が増大
 日本でも重症者の多くがタミフル服用後に悪化
  NPO法人医薬ビジランスセンター(薬のチェック)  浜 六郎

 日本で、いわゆる「新型」インフルエンザで死亡した人について、前回に報告しました。今回は、メキシコや米国妊婦の重症例で、タミフルの使用で死亡の危険が増大する可能性について検討した結果を報告したいと思います。

<米国妊婦で死亡の危険が増大傾向あり>
 最新の米国CDC(疾病コントロールセンター)の調査結果がランセット誌(Jamieson DJら、Lancet. 2009 Aug 8;374(9688):451-8)に掲載されました。
 4月14日から5月18日までの約1か月あまりの間にCDCに報告されたいわゆる「新形」インフルエンザに感染した妊婦は、確定例が31人、疑い例が3人でした。このうち1人が死亡。この妊婦は、重症化後にタミフルを服用しましたが死亡しました。タミフルを服用していたのは、34人の中17人(50%)でした。

 死亡例については、さらに1か月延長した期間について報告がされています。4月15日から6月16日までの約2か月間に、「新形」インフルエンザでの死亡した人は合計45人いました。そのうち妊婦の死亡が6人でした(先の妊婦34人中の死亡1にも含まれています)。

 その妊婦の死亡者全員にタミフルが使用されていたのです。
 この2か月間で何人の妊婦がいわゆる「新形」インフルエンザにかかったのか、タミフルを服用していなかった人は何人いたのかがわかれば、死亡とタミフルとの関連が検討できるので、その数をこの報告中にないかと探したのですが、報告されていませんでした。

 しかしながら、死亡者全員がタミフルを服用していたのですから、タミフルを服用しなかった妊婦で死亡者がいなかったことは確かです
 ところが、タミフルを服用しなかった妊婦で死亡した人はいなかったということについて、このCDC調査結果の中では、全く何も触れられていないのです。そこで、いろんなデータ(文末:注)を元に、その間の妊婦数とタミフル服用者数、タミフルを服用しなかった妊婦の数を推定してみました。
 あくまで推定ですが、タミフル服用者は74人中6人死亡、タミフル非服用者37人中死亡は0と推定されました。

 タミフルの服用は相当危険であるように見えます。

<メキシコの入院重症者でもタミフルで死亡増大傾向あり>
 もうひとつの最新の調査(Perez-Padilla Rら,New England Journal of Medicine,2009 Aug 13;361(7):680-9.)は、メキシコからのいわゆる「新型インフルエンザ」による重症患者の報告です。

 メキシコにおいて初期(4月)に重症化して入院した18人の調査結果が報告されました。

 タミフル使用者は14人いて、そのうち7人が死亡し、タミフルを飲まなかった4人は、死亡は0でした。
<タミフルは有意に死亡を増加させうる>
——米国妊婦とメキシコ重症例を総合すると——
 どちらの調査でも、タミフルを飲まずに死亡した人はおらず、死亡者はタミフルを飲んだ人ばかりでしたので、タミフルが死亡に関係している可能性が疑われます。ただ、個々に検討した結果では、統計学的には有意とはいえませんでした。

 しかし、両方の調査を総合して検討すると、タミフルは死亡を5.6倍増加させる危険性がありうると計算できました(統計学的方法は文末参照)。

<使用時期の問題ではない>
 メキシコの調査でも、妊婦の調査でも、インフルエンザが発症して数日から1週間以上もしてタミフルが用いられていたことがかなり強調されているように見えます。それならば、遅れての使用方法は止めればよいはずですが、CDCでは相変わらず、遅くに使ってもよいと言っています。

 メキシコの調査では、タミフルが使われた人の方がより重症だったという可能性がなくはありませんが、メキシコで入院した患者は全て重症者でしたし、そのようなコメントは、メキシコ調査の報告書には記載されていませんでした。

 妊婦の調査報告では、そもそも、タミフルを使用しなかった妊婦は死亡が0であったということに何も触れていません

<みなさん、冷静に判断しましょう>
「新型」との恐怖がばら撒かれる中で、WHOや米国CDCをはじめ世界中でタミフルがさも特効薬であるかのように捕らえられて、一般の方まで「タミフルがなければ」、「タミフルのおかげでよくなった」などと思い込まされているようです。

 しかし、冷静に、最新のデータを分析した結果、以上のように、タミフルがインフルエンザによる死亡を増大させる可能性を示すデータが続々と出てきているのです。

 そして、ようやく、軽症の人には不要、との考え方が出てきたようです。重症の人、ハイリスク者には危険で使えない、軽症の人には不要。それならば、全くタミフルは使い道がない、と判断してよいということになります。

 冷静に考えていただきたいと思います。

 日本の重症例(人工呼吸管理や脳症)については、No129

注:タミフル服用妊婦数、非服用妊婦数を推計する元になったデータ
 4月14日〜5月18日までに報告のあった妊婦の「新形」インフルエンザ罹患数34人、この間のインフルエンザ患者数全体の増加の程度(5469人から、17855人に増加)、タミフル服用率が、4月14日から4月30日までの発症者では20人中8人(40%)であり、5月1日から5月6日までの発症者では11人中8人(73%)であったというデータ。これらを考慮して計算した。

<詳しい統計学的な検討結果を知りたい方に>
 米国妊婦の調査と、メキシコ重症者の調査結果を総合して検討する方法には、メタ解析(meta-analysis)の手法を用いています(以下は、できるだけ一般の方にもわかりやすいように、平易に解説したつもりです)。

 死亡に対するタミフルの服用の危険度(Petoオッズ比)は5.6倍と計算できました(統計学的に有意:下図参照)。

 統計学的に有意というのは、オッズ比の95%信頼区間と、p値で表します。
2つの調査結果を併合したPetoオッズ比の95%信頼区間は 1.44-22.13でした。

 95%信頼区間の下限が1を超えると有意ですが、1.44とかなり超えています。また、やはり統計用語で、p値が0.05未満なら有意とふつう考えますが、 p値は0.013でした、やはり0.05よりかなり小さい値であり、有意です。

元記事:http://www.npojip.org/sokuho/090824.html
『薬のチェックは命のチェック』インターネット速報版No129(09.8.25号)
 タミフル:害の兆候は日本でも/重症例の多くがタミフル服用後に悪化
  NPO法人医薬ビジランスセンター(薬のチェック)  浜 六郎

 いわゆる「新型」インフルエンザで、日本で死亡した人、メキシコの重症例、米国の妊婦について、前回までに報告してきました。

 今回は、日本で重症化して人工呼吸器を装着した人や、脳症/脳炎になったために報告された人についてみてみましょう。

 いわゆる「新型インフルエンザ」にかかって入院し人工呼吸器が装着された人や、脳症/脳炎になった人は、各自治体を通じて厚生労働省(厚労省)に届けられます。そうした例について、厚労省が「新形インフルエンザに関する報道発表資料」として公表しています。その情報に基づいて検討してみました。

 8月4日から、20日までに死亡した3人以外に、いわゆる「新形」インフルエンザから重症化して人工呼吸器が装着された人や、脳症や脳炎になった人が合計11人報告されています。脳症/脳炎の2人は人工呼吸管理をすることなく経過しましたが、他の9人は人工呼吸管理されました。11人中4人がタミフルを服用したことが報告書に記載されています。その人たちについて示しておきましょう。

 まとめると、タミフルを服用したことがはっきりしている人は全員、服用後に悪化しています。このことからタミフルの関与が強く疑われます。また、タミフル服用の記載がない人では、解熱剤やけいれんを誘発する薬剤が重症化に関与していることが大いに疑われました。

<タミフル服用後,意味不明の言動、見当識障害>
8月4日発表:5歳男児。基礎疾患はなし。
>7月30日39.5℃発熱、嘔気、嘔吐、頭痛があり、31日、近くのA医院を
>受診。髄膜炎疑いで解熱剤の処方を受けたが40℃が持続し、8月1日に再
>度A医院を受診。インフルエンザA型と診断され、B病院に入院し、タミ
>フルドライシロップが使用された。CT検査では異常なかったが、夜から
>意味不明の言動、見当識障害(自分が誰か、どこにいるのか、状況の判断
>ができない状態)があり、8月3日朝、タミフルは中止。MRIで「脳炎」の
>所見が認められたが、頭痛、嘔気、嘔吐なし。精密検査(PCR法)で「新
>型インフルエンザ」の「陽性」が確定した。4日、脳炎症状は残存するも
>のの、解熱(37.2℃)し、食欲あり、回復の方向にあった。

(浜コメント)
 解熱剤使用後かえって熱が上昇し、重症化して入院しています。インフルエンザやかぜから脳症になり重症化する最大の原因はイブプロフェンなど非ステロイド抗炎症剤系の解熱剤(非ステロイド解熱剤)です(「くすりで脳症にならないために」参照)。
 以前よく用いられていたボルタレンやポンタールはさすがに最近は使われていないと思われますが、イブプロフェンはまだ医療機関では処方されることがあります。非ステロイド解熱剤が用いられていなかったか検証が必要でしょう。

 また、入院し、タミフルを使用後に、「意味不明の言動、見当識障害」など精神神経症状が出現しています。MRIで「脳炎」所見が認められたといっても、「頭痛や嘔気、嘔吐」などの症状はなかったのです。タミフルで、精神神経症状が出現した可能性が高いでしょう。非ステロイド解熱剤が使用されていたなら40℃の高熱と重症化にも関係していた可能性がありえます。

<タミフル開始後、無気肺悪化、呼吸状態悪化>
8月5日発表:6歳男児。基礎疾患はないが、乳児喘息の既往あり
>7月25日咳。26日38℃の発熱で近医(A)受診。左の無気肺を認めたた
>めA医療機関に入院。抗菌剤開始。 27日迅速検査陽性A型インフルエンザ
>タミフルを開始。無気肺により呼吸状態が悪化したため気管内挿管。人工
>呼吸、酸素吸入。B病院に転院。28日精密検査(PCR法)で「新型インフ
>ルエンザ」確定。30日抜管し、人工呼吸中止。その後回復し8月5日退院
>した。

(浜コメント)
 乳児喘息の既往があるとのこと。インフルエンザで気管支の炎症が起きて粘稠な痰がたまると、気管支の一部が閉塞して無気肺になり呼吸困難を呈することがあります。

 タミフル服用後に睡眠中に呼吸が抑制されて突然死した幼児や成人が少なくありません。その上、無気肺で呼吸の一部が障害されていれば、タミフル服用で呼吸が抑制され、より強い呼吸困難が生じて低酸素状態になり、人工呼吸管理が必要になった可能性は十分ありうると考えられます。

<タミフル開始後人工呼吸管理開始>
8月13日発表:29歳男性
基礎疾患のためにもともと気管切開がなされており、人工呼吸器の使用歴のある人である(ただし基礎疾患の詳細は不明)。8月10日、39.2℃発熱。迅速検査でA型インフルエンザが判明。タミフルが開始された。その後(時間は不明だが)、人工呼吸器の使用を開始した。11日PCR法実施し、12日「新型」と確定。38.3℃。13日37℃。人工呼吸器は使用しているが状態安定。

(浜コメント)
 もともと気管切開がなされ、人工呼吸管理がされたことがあるということですが、インフルエンザ罹患前には人工呼吸管理はされていませんでした。

 それが、タミフルが開始されてから、おそらくは半日以内に人工呼吸管理が必要となったのです。気管切開がされることになった元の病気は不明ですが、神経系あるいは筋肉疾患である可能性が高いでしょう(筋萎縮性側索硬化症など)。すると、タミフルによる呼吸中枢の抑制作用が、そうでない人よりも強く作用します。

 したがって、この人の場合も、タミフル服用後に、脳が麻痺して呼吸する力が弱くなり人工呼吸管理が必要になった可能性が高いと考えられます。

<タミフル開始翌朝、意識障害、血圧低下、呼吸障害>
8月17日発表:40歳男性
>もともと、慢性硬膜下血腫による両下肢機能全廃のため身体障害1級の人
>である。8月14日、午前中にA施設内(入所中)で40.2℃の発熱があり、
>簡易検査でA型インフルエンザ陽性であった。タミフルを服用し経過を観」
>察。翌日(15日)朝に、意識障害、血圧低下、呼吸障害のため、市内のB
>医療機関に入院。肺炎の合併があり、人工呼吸管理をし、ICUに入室。精
>密検査(PCR法)で「新型インフルエンザ」と確定。17日午後2時現在
>解熱、回復傾向あるが、なお人工呼吸管理は継続中。

(浜コメント)
14日のタミフル服用開始から、翌朝の意識障害、血圧低下、呼吸障害まで、24時間を要していません。非常に短時間の間に急変しています。タミフルは午前に1回と夜に1回服用した可能性があるでしょう。したがってその翌朝の急変は大いに関連があると考えるべきでしょう。

 通常でも夜間睡眠中は呼吸が抑制されやすいので、まして、慢性硬膜下血腫による両下肢機能全廃があるのですから、呼吸筋の機能にも障害があるかもしれません。それなら、なおさら呼吸停止は起きやすいでしょう。

 以上、タミフル使用が明瞭に記載されている重症の4人と死亡した2人は、少なくとも重症化にタミフルが関与した可能性が高いのではないかと考えられました。

 なお、14人中1人(死亡した80歳代の女性)がタミフルを使用していなかったことがはっきりしていますが、あとの7人は、タミフルの服用状況は不明でした。タミフル使用が記載されていなかった8人中6人は、非ステロイド抗炎症剤が解熱剤として用いられていたなら重症化に関与した可能性があると考えられました(このうち一人は他のけいれん誘発性の薬剤の関与もありえますが)。

 また、症状の経過から、4人(うち2人には非ステロイド解熱剤も関与か)は、もしもタミフルが用いられていれば、タミフルが関与した可能性があると思われました。

 結局、純粋にインフルエンザだけで重症化したといえる例は、ほとんどないのではないかと思われました。この点からも、十分な検証が必要です。

 再度申し上げたいと思います。「新型」との恐怖がばら撒かれる中で、WHOや米国CDCをはじめ世界中でタミフルが、さも特効薬であるかのように言われ、捕らえられて、一般の方まで「タミフルがなければ」「タミフルのおかげでよくなった」などと思い込まされているようです。

 しかし、冷静に、最新のデータを分析した結果、以上のように、タミフルが、ハイリスクの人ほど、インフルエンザによる死亡を増大させている可能性を示していますそれを示すデータが続々と出てきています。

 そして、ようやく、軽症の人には不要、との考え方が出てきたようです。しかしよく考えてみて下さい。
 重症の人、ハイリスク者には危険で使えない、軽症の人には不要。それならば、全くタミフルは使い道がない、と判断してよいということになりませんか。


みなさん、冷静に判断しましょう
追記:
 この報告を書き上げてから、4人の重症者(人工呼吸管理例)が報告されました。神奈川県からの1人と、沖縄県からの3人です。
 そのうち3人はタミフルや解熱剤の使用の有無は不明でしたが、1人にはタミフルが使用されていました。

 タミフルが使用されていたのは40歳代の女性です。39℃の発熱で近医を受診し4日後に症状が改善せず受診したところ肺炎疑いで入院、急速に悪化し、転院後人工呼吸管理がされて、その後にインフルエンザA型が判明したためにタミフルが使用されたというものです。39℃の発熱で近医を受診し4日後に急速に症状が悪化するまでには、非ステロイド解熱剤が使用された可能性が高いのではないかと疑われます。

 また、タミフルが使用されたときには、すでに人工呼吸管理がされていていましたので、たとえタミフルで呼吸抑制が起きても、影響がでることはありません。

元記事:http://www.npojip.org/sokuho/090825.html

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医薬ビジランスセンターHP:http://www.npojip.org/
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新薬学研究者技術者集団HP:http://www.d9.dion.ne.jp/~sigma72/

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