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砂糖添加飲食物の多量摂取と膵癌リスク増大に関連

 このほど,カロリンスカ研究所(瑞・ストックホルム)のSusanna Larsson氏らが実施した新しい研究によると,砂糖を添加した飲食物の多量摂取と,膵癌の発症リスク増大が関連することが明らかになった。詳細はAmerican Journal of Clinical Nutrition(2006; 84: 1171-1176)に発表された。

同氏らによると,ソフトドリンク(炭酸飲料など),液体フルーツ(液体状のジャムのようなもの),砂糖入りコーヒーの大量摂取は膵癌発症リスク増大の3大原因という。

<砂糖摂取量が膵癌発症率に影響>
 膵癌は糖代謝がなんらかの異常を来した結果,膵臓が分泌するインスリンレベルが上昇して発症すると考えられる深刻な癌である。

 一般的にインスリン産生を増加させる要因は砂糖を大量に摂取することである。今回の研究は,砂糖を加えた飲食物の摂取が膵癌の発症率に影響を及ぼす可能性のあることを示した初めての報告である。

 同研究では1997年に健常な男女約8万例を対象に食物摂取頻度調査を実施し,2005年6月まで継続して観察した。癌登録(cancer registry)を確認したところ,このうち131例が膵癌を発症していた。この研究により,膵癌を発症するリスクは食事から摂取する砂糖の量と関係があることが示された。

 最もリスクが高かったのは,ソフトドリンクなどを大量に摂取した場合である。ソフトドリンク摂取の最上位グループは最下位グループに比べ,膵癌の発症リスクが90%高かったという。
 次に高かったのは,飲料(コーヒーなど)に砂糖を加えた場合で,最上位グループは最下位グループに比べ,膵癌の発症リスクが70%高かった。
 また,液体フルーツの摂取でも最上位グループは最下位グループに比べ,膵癌を発症する頻度が50%高かった。

 Larsson氏は「膵癌を発症する確率は比較的低くても,この疾患を誘発する危険因子について知識を深めることは大切である」と主張。「膵癌の予後はきわめて不良で,最も深刻な癌である。治療も難しく,末期癌の状態で発見されることも多いため,予防策を知ることは特に重要である」と付け加えている[Medical Tribune 07年1月25日 (VOL.40 NO.4) p.01]



【コメント】
 アメリカで、コーヒーを一日何倍飲むかという消費量と、膵臓ガンの発症率の相関が問題になり、コーヒー中の発癌物質が問題になったことがありますが、その時にすでに、コーヒー自体のせいではないのでは、という意見がありました。

 一つは煙草を同時に吸う者がいるのだから、それを除外する必要が有る、もう一つは砂糖のせいではないかというものでした。というのも、アメリカ人は所謂「アメリカン・コーヒー」で多量に飲むが、ブラックで飲む者と飲む杯数全部に砂糖を入れているものが同一にカウントされるのはおかしいからです。

 また、コーヒー豆をローストする=こげを作っているのだから発癌物質はできるのではないか、という考えもありましたが、そちらは、日本の国立ガンセンター・がん予防10ヶ条の「焦げ」の項が無意味なのと同じ理由(ラットによる実験で焦げ中の発癌物質トリ-Pを問題視。人間なら焦げだけを数トン食べねば発癌しない程度のリスク)で問題なし。むしろ「コーヒー酸」という抗酸化物質が後に発見されてしまった(笑)ので、疑いが消えました。

 で、結局、砂糖の害に収斂してきた訳です。大沢 博・岩手大名誉教授(心理栄養学)の『食原性低血糖症』などでも指摘されている通り、単糖類・二糖類の大量摂取→腸管からの大量吸収→血糖値の急上昇→インスリンの急速分泌による血糖値の急低下という状態の反復によって、膵臓への負担が増加します。この慢性化が膵臓ガンの原因となる訳です。

 膵β細胞は、組織内ヴィタミンCチャージ量の高い組織です。活性酸素に弱いからです。また、膵臓自体も当然グリケーション(糖化)に弱い器官です。


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