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肺癌CTスクリーニングは総死亡を抑制せず。

JAMA発表論文でも否定的----肺癌CTスクリーニング

 米スローン・ケタリング記念癌センター(NY)のPeter B. Bach博士らは、「肺癌の早期発見により,患者が治癒または少なくとも延命できるとすれば、実に素晴らしいが、残念ながらそうではない」とJAMA(2007; 297: 953-961)に発表した。


<アウトカムは改善されず>
 1998年に開始された国際研究では,喫煙者または元喫煙者で無症状の男女3,246例(年齢中央値60歳)を対象とするCTスクリーニングにより早期肺癌を検出できた場合に,罹患率と死亡率が低くなるかどうかの最終報告が示された。今回の試験は3か所で実施され、患者(平均喫煙期間39年)は初診時とその後引き続き3回、CTによる肺癌スクリーニングを実施した。

  5年のフォローアップ期間によると、CTスクリーニング群で検出できた肺癌数は未スクリーニング群の3倍であったが、アウトカムは改善されなかった。CTスクリーニングが、米国の癌死因の1位である肺癌による死亡の予防に役立つエビデンスは認められなかった。

 Bach博士は「われわれの試験では、CTにより肺癌のきわめて小さな増殖を検出することによって、癌が広がり治療できなくなる前にそれを抑えられるかどうかを初めて検討した。
 しかし、その答は“ノー”であった。早期発見のせいで施行された治療により、患者は救命よりもむしろ不必要と思われる侵襲的な治療を受けることになった」と結論した。[MT誌07年4月19日 (VOL.40 NO.16) p.59]

【コメント】
 近藤 誠『成人病の真実』(新潮文庫)・『医原病』(講談社+α新書)などを参照。日本の検診事業にはエピデンスの無いものが多いですが、CT検診も同様です。


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