脂肪で活性酸素増が原因----肥満の糖尿病治療に可能性 [糖尿病]
内臓などにたまった脂肪は、体に有害な活性酸素を増加させ、高血圧や糖尿病などを引き起こすことを下村伊一郎・大阪大教授(内分泌代謝学)らが突き止め、米医学誌The Journal of Clinical Investigation(114:1752-1761)に発表した[→無料pdf論文]。
肥満による病気の原因の一端を解明したもので、マウスの実験で、活性酸素を抑えると糖尿病が改善した。人間での実用化が期待される。
下村教授らは、太らせて糖尿病になったマウスで実験。内臓の脂肪で、活性酸素が増えている一方、活性酸素を消去する酵素が減っていることを確かめた。
また、脂肪からできるホルモンのバランスが崩れ、動脈硬化を促進するホルモンが増えていることが分かった。
下村教授らは、活性酸素が増えたことがホルモンバランスの崩れにつながったと推定。活性酸素の発生にかかわる酵素を抑える薬をマウスに投与すると、ホルモンのバランスは元に戻った。糖尿病も改善した。
下村教授は「活性酸素を抑えれば糖尿病などを治療できる可能性がある」と話している。
2007-04-21 23:33
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