エリスリトールに歯垢分解作用が---花王研究所が発見
エリスリトールは、果物・ワイン・キノコ等に含まれる糖アルコールだが、虫歯や口臭の原因となる歯垢を分解しやすくする働きがあることを、花王ヘルスケア研の板野守秀氏・矢納義高氏、花王構造解析センターの吉田 修氏、徳島大院ヘルスバイオ口腔感染症学の弘田克彦氏・三宅洋一郎氏からなる協同研究グループが発見した。
歯ブラシやうがいの水流程度でも、歯垢がはがれやすくなるような効果が期待できるという。研究成果は、第48回歯科基礎医学会学術大会で「細菌共凝集塊の物理的分散におよぼす糖アルコール類の影響」という題名で発表された。
口中ではいわゆる虫歯菌と善玉菌が混在する。こうした細菌が増え、食べかすなどをエサにして絡み合い、歯につくと取れにくい歯垢となる。唾液の清浄作用が細菌の増殖を抑えることは知られているが、詳しい仕組みは分かっていないという。
唾液の働きを研究していた花王ヘルスケア研の前田晃嗣室長・矢納義高主任研究員らは、メロンやナシなどの果物や、しょうゆ・みそ・ワインなどの発酵食品に含まれるエリスリトールが、唾液と同じように細菌同士の結合を弛める働きを持つことを見つけた。
再現した歯垢にエリスリトール水溶液をかけると、歯ブラシが触れなくても、ブラシが起こす水流を再現した超音波があたるだけで、歯垢がはがれるようになった。エリスリトールを使わずに超音波をあてるのに比べ、歯垢は約3分の1まで減っていた。
前田さんは「エリスリトールは、殺菌剤も入れない歯垢内部まで浸透できることを確かめた。細菌同士の結合構造を変化させてゆるめ、ブラッシングなどの小さな圧力で落とせるようになるようだ」と話している。
【コメント】
アルミやフッ素を含む歯磨き粉類を使わずとも、エリスリトールの洗口液と超音波振動電動歯ブラシで、完全な歯垢除去ができるということです。抗菌剤を使用することは口内細菌にまで消毒剤耐性を与えるだけの馬鹿な結果になりかねませんが、これなら大丈夫でしょう。
実際、花王ではこの研究を踏まえた製品「ピュオーラ」を販売しました。ただ、惜しむらくは、この商品には抗菌剤=塩化ベンゼトニウムが含まれていることです。製品がマウスウォッシュで、超音波振動製品との組み合わせを想定していないものだからですが。私なら代わりにエリスリトールとティートリー・オイルとを組み合わせた製品を作り、超音波歯ブラシと組み合わせたケアを提唱しますが(笑)
なお、動物用、特に猫の口腔ケアに役立ちそうなことは大変有り難いことです。無香料の動物用製品も作っていただけないものでしょうか(笑)。
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