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EPAは主要冠動脈イベント予防に有望 [脂肪酸]

 神戸大学循環呼吸器病態学の横山光宏教授らは、日本人の高コレステロール血症患者を対象として試験を行い、EPA(エイコサペンタエン酸)は主要冠動脈イベント、特に非致死性冠動脈イベントの有望な予防薬であることを明らかにした。この結果はLancet(2007; 369: 1090-1098)に発表された。なお、この研究はClinicalTrials.govのNCT00231738に登録されている。

<主要冠動脈イベントが19%減少>
 横山教授らは「全体的に見て、今回の試験では、EPA 1,800mg/日投与は主要冠動脈イベントの有望な予防法であることが示された。これは、特にEPAが複数の生物学的機序を介して作用すると考えられるためである」と述べている。

 総コレステロール値が250mg/dL以上の患者1万8,645例を登録し、スタチン+EPA投与群またはスタチン単独投与(対照)群にランダム化割り付けした。主要エンドポイントは全主要冠動脈イベントとした。今回の試験では高純度EPAを用いた。

 同教授らは「平均4.6年のフォローアップ期間で、主要エンドポイントである主要冠動脈イベントがEPA投与群で262例(2.8%)、対照群で324例(3.5%)発生し、19%の相対的減少(P=0.011)が認められた」と述べている。

 特に、EPAにより不安定狭心症(24%)と非致死性冠動脈イベント(19%)に有意な減少が認められた。EPA投与は心臓突然死と冠動脈死に対しては影響を及ぼさなかった。
 EPA投与群のうち冠動脈疾患(CAD)既往のある患者では、主要冠動脈イベントが19%(対照群の10.7%に対し8.7%)減少した。CAD既往のない患者では、主要冠動脈イベントが18%(対照群の1.7%に対し1.4%)減少した。ただし、この減少は有意とはならなかった。

 同教授らは「この知見は、過去の介入研究や観察研究の知見とは異なっている。多くの観察研究では、1・2 回/週の魚摂取または約30~60g/日の少 の魚摂取のみで、致死性冠動脈イベントや心臓突然死リスク(非致死性冠動脈イベントリスクを除く)が30~60%低下すると報告されている。
 冠動脈性心疾患の二次予防試験では、脂肪が多い魚の軽度摂取(200~400g/週)またはEPA+DHA(1g/日)のサプリメント摂取で心筋梗塞既往のある患者の冠動脈死が約20~30%減少すると報告されている。実験的研究と疫学的研究では、低用量の魚油が抗不整脈作用により心臓突然死を防ぐ可能性があると示唆されている」と述べている。

 一方、今回の試験結果には日本の保健所によるコホート研究の結果を裏づける傾向が認められる。試験では、魚の週1回摂取(約20g/日)と週8回摂取(約180g/日)を比較した。日本人の中年男女では魚の摂取量が増加するとCAD、特に非致死性心イベントリスクが低下した[MT誌07年7月5日 (VOL.40 NO.28) p.61]。

【コメント】
 使用したのは、持田の「エパデール300」です。ということは、1800mgにするには、6カプセル/日の服用です。もしサプリメントを使用する場合は、同用量になるようにせねばなりません。


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