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ビタミンEはII型糖尿病で抗炎症薬として作用 [ビタミンE]

 テキサス大学サウスウエスタン医療センターヒト栄養センター病理学・内科学のIshwarlal Jialal教授と、病理学部臨床生化学・ヒト代謝部門のSridevi Devaraj助教授は、Circulation(102:191-196)に、「ビタミンEの大量投与は、II型糖尿病患者における心疾患および脳卒中のリスク軽減に役立つ可能性がある」との研究結果を報告した。

<血管合併症に有効か>
 Jialal教授らは、糖尿病患者に1日当たり1200IUの天然型ビタミンE(d-α-トコフェロール)を3か月間にわたって投与したところ、白血球(単球)によって引き起こされる炎症の増大が軽減したと発表した。
 
 同教授は「これは、糖尿病患者でビタミンEが抗炎症作用を有することを示した最初の研究である。糖尿病性血管障害では、炎症が重大な原因であると思われることから、ビタミンEは糖尿病患者での血管合併症を予防するための追加療法となる可能性がある」と述べた。
 
 インスリン非依存型糖尿病としても知られるII型糖尿病のおもな死因および病的状態は、血管合併症である。同教授はこれまでの研究で、ビタミンEが強力な抗酸化薬であることを示している。
 今回の研究では、大血管障害を併発したII型糖尿病患者群および併発していないII型糖尿病患者群を、非糖尿病患者群と比較した。
 3つの群おのおので25例の試験参加者に3か月間にわたって1200IUのビタミンEを連日投与し、その後無投与で2か月間の経過観察を行った。試験開始時、3か月後およびウオッシュアウト期間後の3回、全患者から血液を採取した。ビタミンEの作用は3つの群すべてで類似していた。
 
 この研究からは、動脈壁におけるプラーク形成に中心的役割を果たす細胞(循環単球)の活性化で示されるように、II型糖尿病患者では炎症の増強が認められた。単球は、アテローム形成に関与する重要な細胞で、最も測定が容易である。

 試験データからは、LDLの糖化は対照群に比して両群で昂進していたが、ビタミンE療法は糖化LDLを有意に抑制できなかったものの、酸化LDLを全群で有意に抑制できることが分かった。糖尿病患者の単球は有意に多量のスーパーオキシド・アニオン(O2-)とインターロイキン1ß(IL-1ß)を放出し、対照群より強い内皮接着性を示したが、ビタミンE療法は、この単球の発するスーパーオキシド・アニオンとIL-1ßと腫瘍壊死因子と、単球の内皮接着を、全群において有意に減少させた。

 Devaraj助教授は「糖尿病性血管障害での炎症の中心的役割を解明し、これを調節する方法を検討することは、きわめて重要なことであった」と述べた。


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