高読解力が鉛曝露から脳機能を保つ [中毒]
米国神経学会(AAN)の会員で職業環境神経学センター(メリーランド州ボルティモア)のMargit L. Bleecker博士は、認知予備能の影響について研究し、読書量の多い鉛精錬工は少ない鉛精錬工に比べて、脳に対する鉛曝露の悪影響から保護されることをNeurology(2007; 69: 470-476)に発表した。
<低読解力なら悪影響が2.5倍>
職業的鉛曝露が、神経やいくつかの脳の活動領域に悪影響を及ぼすことは以前から知られていた。しかし長年身に付けたいくつかの脳機能は鉛曝露の悪影響に抵抗する。その1つが読解力で、これは認知予備能あるいは損傷に対して機能を維持する脳の能力の指標でもある。認知予備能に寄与する因子としては遺伝・教育・小児期の認知能がある。