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抗酸化物質と黄体ホルモンにCOX-2阻害薬併用〜癌患者の食欲不振と悪液質に有効 [抗酸化剤]

 伊・カリアリ大学腫瘍内科のGiovanni Mantovani部長らは「第II相臨床試験の中間解析結果から,抗酸化物質,栄養補助薬,黄体ホルモンとシクロオキシゲナーゼ(COX)-2阻害薬の併用が癌患者の食欲不振と悪液質に有効であることが示された」と多国籍癌支持療法学会(MASCC)/国際口腔腫瘍学会(ISOO)共催の第17回国際シンポジウムhttp://www.mascc.org/content/66.htmlで報告(Cocktail of Antioxidants, Progestagen, and Celecoxib (Celebrex) Effective in Cancer-Related Anorexia, Cachexia)。「中間解析では評価可能な31例の大部分が有効または著効であった」と述べた。


【除脂肪体重の増加を確認】
 Mantovani部長らは各種進行癌の患者39例を対象として,16週間にわたる治療を行った。被験者にはポリフェノール400mg/日以上を含む食事と併せて,n-3エイコサペンタエン酸(EPA)とドコサヘキサエン酸(DHA)を強化した栄養剤1日2缶,酢酸メドロキシプロゲステロン1日500mgを摂取させ,さらにα-リポ酸300mg,カルボシステイン・リジン塩酸塩2.7g,ビタミンE 400mg,ビタミンA 3万IU,ビタミンC 500mgから成る抗酸化療法を実施するとともに,celecoxib(Celebrex)を 1日200mg投与した。

 治療効果については,(1)臨床状態〔他覚的臨床効果とECOG PS(Eastern Cooperative Oncology Group Performance Status)で評価〕(2)栄養状態〔除脂肪体重,食欲,安静時エネルギー消費量(REE)で評価〕(3)臨床検査(炎症性サイトカイン,レプチン,活性酸素種,抗酸化酵素で評価)(4)QOL(EORTC QOL調査票の各種サブスケールで評価)の4点から検討した。

 その結果,評価可能例の除脂肪体重は,1か月後には平均1.0kg(P=NS),2か月後には1.9kg (P=0.032),4か月後には1.9kg(P=0.038)増加していた。

 治療期間中は体重増加に伴い食欲の亢進が見られた。また,炎症性サイトカインの血清中濃度が有意に低下していたのに対し,血清中レプチン濃度は有意に上昇していた。酸化ストレスの指標である活性酸素種の濃度は低下した。治療開始から1・2・4月後の時点でEORTC QOLの各種サブスケールのスコアはすべて有意に改善していた。

 データが得られた31例のうち治療に応答したのは17例であり,うち13例は有効,4例は著効と判定された。(Copyright 2005 docguide.com, Paula Moyer)


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catsduke

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by catsduke (2007-03-11 07:10) 

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