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ライフスタイルの改善でアジポカイン代謝に変化 [糖尿病]

 蘭・マーストリヒト大学・ヒト生物学のEva Corpeleijn教授は、ライフスタイルへの介入研究において典型的に観察されるインスリン感受性およびHbA1c値の改善は、レプチン値の低下などのアジポカイン代謝の改善が介在していると見られると、ハンガリーのブタペストで4月22日〜25日に開かれた第15回欧州肥満学会で報告した。

【代謝改善のマーカーへの期待も】
 この研究には99年に開始され、06年に終了したStudy on Lifestyle-Intervention and Impaired Glucose Tolerance Maastricht(SLIM)データの暫定的分析が含まれている。
 SLIM研究の1年目の結果を発表したCorpeleijn教授は「糖尿病予防には、肥満およびインスリン抵抗性と戦わなければならないが、これは食事や運動の改善で達成可能である。そこでライフスタイルに介入する研究を計画し実行した」と説明した。

 同教授は,インスリン抵抗性は高レプチン値と関連があることから、ライフスタイルへの介入によるレプチンなどの血漿アジポカインへの効果を調べることにしたという。
 脂肪組織はレプチン・レジスチン・アディポネクチンなど、アジポカインと呼ばれる生物学的に活性のある蛋白質を放出する。同教授は、これらのアジポカインの一部はライフスタイルの健全な変化から生じる代謝改善の優れたマーカーになるとする仮説を立てた。

 この仮説を検証するため、impaired glucose tolerance(IGT)の男女98例を登録し、食事運動併用介入プログラム群47例と対照プログラム群51例にランダムに割り付け、試験開始前と1年後の時点で経口糖負荷試験(OGTT)や運動検査とともに人体計測と血漿分析を行った。

 1年後,body mass index(BMI)・OGTT2 時間値・インスリン抵抗性のHOMA指数(HOMA-IR)が低下し、最大有酸素能力は増加した。レプチン値は対照群に比べて介入群で著しく低下した(-2.7ng/mL対0.3ng/mL、P=0.02)。しかし、アディポネクチンとレジスチンの値については両群で有意差は見られなかった。

 これらの結果から、ライフスタイルの改善は脂肪組織代謝にプラスの影響を与え、レプチン抵抗性を低下させることがわかった。そのため、同教授らは「ライフスタイルへの介入後に糖代謝およびインスリン感受性の改善を測定するには、アディポネクチンでもレジスチンでもなく,レプチンが感度の高いマーカーであると考えられる」と結論付けた。[MT誌07年6月14日 (VOL.40 NO.24) p.07]


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