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化学療法中の抗酸化剤投与禁止に根拠無し [抗酸化剤]

 米・癌研究教育統合センター(イリノイ州)の医学責任者Keith I. Block博士らの研究から、化学療法を受けている患者には抗酸化剤を避けたほうがよいという助言には何の根拠もないことが判明した。詳細はCancer Treatment Reviews(published online 16)に発表された。


【副作用が少なく治療応答率高い】
 Block博士は,テキサス大学MDアンダーソン癌センター癌医学のRobert Newman教授らと共同で、化学療法中の抗酸化剤の使用を体系的に調査分析した。

 5種類のデータベースから、化学療法時に抗酸化剤を投与しその影響を見たランダム化比較試験の論文を調べたところ、845件のうちすべての評価基準を満たしたのは19件であった。
 対象試験の被験者数は1,554例、癌の種類はさまざまで、大部分が進行もしくは再発例であった。
 使用された抗酸化剤は、グルタチオン[7]、NAC(N-アセチル-システイン)[1]、ビタミンC[1]、ビタミンE[1]、ビタミンA[2]、エラグ酸[1]、メラトニン[4]、抗酸化剤カクテル[2]であった

 分析の結果、抗酸化剤の投与を受けた患者の生存期間は、対照と同等もしくは優れていた1件を除くすべての試験で、抗酸化剤投与患者のほうが治療応答率が高かった
 また、抗酸化剤投与群の下痢・体重減少・神経毒性・血球数低下などの副作用の発生率は17件中15件で、非投与群と同等か低かった

 同博士らは「これは重要である。なぜなら、抗酸化剤投与患者の副作用の減少は,化学療法を短縮、休止、あるいは全く中止しなければならない可能性が低いことを示すものだからである」と述べている。


【コメント】
 この記事は、本ブログ過去記事、例えば、
  ○2月22日付「癌患者への抗酸化剤療法----放射線療法の効果を妨げない」
  ○3月9日付『JAMAの「抗酸化ビタミンは恐い」情報操作に対抗』
 などで、記されているような、内容を補強するものです。


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