慢性腎臓病患者(CKD)の生存期間を活性型ビタミンD製剤が延長 [ビタミンD]
透析を受けていない慢性腎臓病(CKD)患者への活性型ビタミンD製剤(経口カルシトリオール)の投与が生存期間延長に有効であることを示す研究結果が,米バージニア大学などのグループによりArchives of Internal Medicineの2月25日号(2008;168(4):397-403)に発表された。
透析患者では,活性型ビタミンD製剤による二次性副甲状腺機能亢進症の治療が生存延長と関係する。しかし,透析前のCKD患者で同様のベネフィットが得られるかどうかは不明である。
同グループは,男性の退役軍人で透析を受けていないステージ3~5のCKD患者520例を対象に,活性型ビタミンD製剤による治療と死亡および透析開始との関係を検討した。患者の平均年齢は69.8歳,推算糸球体濾過量は30.8mL/分/1.73m2であった。
520例中258例が0.25~0.5μg/日のカルシトリオール投与を中央値で2.1年間(0.06~6.0年)受けた。さまざまな因子を完全に補正した結果,カルシトリオール投与群は非投与群と比べて死亡,また死亡と透析開始を合わせた発生率比の有意な低下が認められた(ともにP<0.001)。投与群では透析開始率が低い傾向が見られた。これらの結果は異なるサブグループ間で一致していた。
同グループは「活性型ビタミンD製剤による治療が,透析を受けていないCKD患者の生存を有意に延長する可能性が示された。この因果関係の立証と,他の活性型ビタミンD製剤でも同様の関係が見られるかを明らかにするにはランダム化試験が必要である」と指摘している。
【コメント】
ビタミンDに関しては、以下の専門書・一般書を参考にしてください。
岡野登志夫『ビタミンDと疾患ー基礎と臨床からの考察』 医薬ジャーナル社(2000)
中村・松本・加藤『骨代謝と活性型ビタミンD』ライフ・サイエンス出版(2006)
平柳 要『がん予防に実は「日光浴」が有効なわけービタミンDの驚きの効力』講談社+α新書(2008)
透析患者では,活性型ビタミンD製剤による二次性副甲状腺機能亢進症の治療が生存延長と関係する。しかし,透析前のCKD患者で同様のベネフィットが得られるかどうかは不明である。
同グループは,男性の退役軍人で透析を受けていないステージ3~5のCKD患者520例を対象に,活性型ビタミンD製剤による治療と死亡および透析開始との関係を検討した。患者の平均年齢は69.8歳,推算糸球体濾過量は30.8mL/分/1.73m2であった。
520例中258例が0.25~0.5μg/日のカルシトリオール投与を中央値で2.1年間(0.06~6.0年)受けた。さまざまな因子を完全に補正した結果,カルシトリオール投与群は非投与群と比べて死亡,また死亡と透析開始を合わせた発生率比の有意な低下が認められた(ともにP<0.001)。投与群では透析開始率が低い傾向が見られた。これらの結果は異なるサブグループ間で一致していた。
同グループは「活性型ビタミンD製剤による治療が,透析を受けていないCKD患者の生存を有意に延長する可能性が示された。この因果関係の立証と,他の活性型ビタミンD製剤でも同様の関係が見られるかを明らかにするにはランダム化試験が必要である」と指摘している。
【コメント】
ビタミンDに関しては、以下の専門書・一般書を参考にしてください。
岡野登志夫『ビタミンDと疾患ー基礎と臨床からの考察』 医薬ジャーナル社(2000)
中村・松本・加藤『骨代謝と活性型ビタミンD』ライフ・サイエンス出版(2006)
平柳 要『がん予防に実は「日光浴」が有効なわけービタミンDの驚きの効力』講談社+α新書(2008)
コメント 0