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進行腎細胞癌にIFN-αと活性型ビタミンD3の併用が有効 [ビタミンD]

 活性型ビタミンD3、1- 25(OH)2D3は、癌細胞における増殖抑制やアポトーシス誘導といった抗腫瘍効果があると言われるが、岩手医科大学泌尿器科学の小原 航氏・藤岡知昭教授らの研究グループは、IFN-αと活性型ビタミンD3の併用投与が進行腎細胞癌(RCC)に効果を示すことを明らかにし、第102回米国泌尿器科学会(AUA 2007)で発表した

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ビタミンDに糖尿病予防効果----出生後すぐに十分な投与を [ビタミンD]

 英ロンドンの小児保健研究所の小児疫学・生物統計学部門のElina Hypponen氏らによると,小児期にビタミンDを十分に摂取していれば、I型糖尿病発症リスクが明らかに低下する。「少なくとも,太陽の光を十分に享受できないフィンランド人には、このことが当てはまる」というコホート研究がLancet(358:1500-1503)で報告されている。

[生後1年間の補充療法で低下]
 ビタミンDサプリの摂取と糖尿病発症リスク低下との関連性については、動物実験で既に明らかにされているが,Hypponen氏らは、1966年にフィンランド北部で生まれた1万人以上を対象としたコホート研究から、ヒトでも同様の関連が認められることを証明した。この地域では、太陽光による皮膚のビタミンD代謝刺激は、少なくとも冬期はほとんど見込めないため、ビタミンDサプリの摂取効果を検証するのに最も適していると考えられた。

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ビタミンDで膵癌リスクがほぼ半減 [ビタミンD]

【2件の大規模疫学サーベイで検討】

 シカゴのノースウェスタン大学予防医学のHalcyon Skinner博士とハーバード大学の研究者らは「ビタミンD錠を服用すると,膵癌リスクがほぼ半減することを見出した」との研究結果をCancer Epidemiology Biomarkers & Prevention(2006; 15: 1688-1695)に発表した。



【推奨量摂取でリスクが43%低下】

 この知見は,ビタミンDには膵癌を予防する可能性があることを示唆するもので,栄養素と膵癌との間の相関性を検討するために大規模疫学サーベイを利用した研究としては初めてのものとなる。

 この研究では,2件の大規模長期試験から得られたデータが検討され,米国での推奨摂取量のビタミンD(400IU/日)を摂取した場合,膵癌リスクが43%低下することが認められた。これに対し,摂取量が150IU/日未満の場合は22%の低下にとどまった。ただし,摂取量が400IU/日を上回っても,効果には有意な増大は生じなかった。

 Skinner博士は「膵癌には有効なスクリーニング法がないことから,膵癌に対して制御可能な危険因子を見出すことは,癌を予防するための戦略の開発に必要不可欠なことである」と述べている。

 さらに,同博士は「ビタミンDは前立腺癌の予防と治療に強い効力のあることが示されており,太陽光曝露が多い地域では,前立腺癌・乳癌・大腸癌の発生率と死亡率が低下することから,われわれは,膵癌リスクに対するビタミンDの役割を検討することにした。これらの関係について検討している研究はほとんどないが,今回の研究でビタミンD摂取量が多くなると,膵癌リスクが低下した」と付け加えている。

【米国の癌死の第4位】
 Skinner博士は現在,ウィスコンシン大学(ウィスコンシン州マディソン)医学部・公衆衛生学部の集団衛生科学部門に所属しており,同僚とともに,ハーバード大学で実施された健康と食事の習慣に関する2件の大規模長期試験,Health Professionals Follow-up Study(40〜75歳の4万6,771例の男性)とNurses' Health Study(38〜65歳の7万5,427例の女性)から得られたデータを解析した。これら2件の試験では365例に膵癌が認められた。

 今回のサーベイは前向きなデザインで,純粋に過去の情報に注目する代わりに健康上の傾向を追跡しており,フォローアップ率が高く,同博士のような研究者により2件の独立した試験のデータを組み入れることが可能であることから,有益なものと考えられる。

 膵癌は,急速に致死的となる疾患で,米国では癌による死因の第4位となっている。米国癌協会(ACS)は,今年は新たに3万2,000例の膵癌が診断され,ほぼ同数の患者が死亡すると推定している。確実な治療法は解明されておらず,外科療法が奏効することも少ない。喫煙以外にこの疾患と関連付けられている環境要因または食習慣はない。

【腫瘍細胞増殖を阻止する可能性】
 Skinner博士らは,ビタミンDのほか膵癌とカルシウム(Ca)とレチノール(ビタミンA)の摂取との関連性も検討した。レチノールは無機質バランスと骨に対する影響の点でビタミンDと拮抗するが,Caとレチノールの摂取量に,膵癌リスクとの相関関係は認められなかった。

 こうした理由から,卵とレバー,脂肪分の多い魚などの食品または強化食品からのビタミンDの摂取や太陽光への曝露が,レチノールを含有する総合ビタミン剤よりも優れているか否かを明らかにするため,今後も研究が必要である。

 膵癌に対するビタミンDの潜在的な利点は,他の研究室での研究により最近になって確立された。正常と癌化した膵組織には,循環中の25-ヒドロキシビタミンDを活性型ビタミンDの1,25-ジヒドロキシビタミンDに変換する酵素が高濃度で含まれている。別の研究からは1,25-ジヒドロキシビタミンDの抗細胞増殖作用が示されており,これが腫瘍細胞の増殖を阻止している可能性がある。

 同博士は「ビタミンDの抗腫瘍作用を示唆する実験結果を合わせると,今回の結果はビタミンDが膵癌の予防と,おそらくは膵癌による死亡率の低下になんらかの役割を果たしている可能性を示すものとなる。他の環境要因と食事要因には,このリスクとの相関関係は認められていないことから,ビタミンDの役割に関してさらに研究が必要と思われる」と述べている。[MT誌06年10月26日 (VOL.39 NO.43) p.01]

【コメント】
 特定のビタミンなど栄養素の不足が、癌の原因の一つと考えられる蓋然性の高いものが多い。

 例えば、抗酸化ビタミンの最たるビタミンCだが、この組織内濃度が血液中=血漿中の濃度よりも高い=必要度が高いため、能動輸送で特定の組織・臓器にチャージされている部位が多い。

 目だと水晶体や房水(紫外線対策である)、脳・膵β細胞(酸化ストレスに弱い)、白血球(自分が活性酸素を放って攻撃するので自己防御用にも必要)、精巣/卵巣などがそうである。

 目の「黄斑」の黄色はルテイン(英語の正式発音はルーティーン)で、マリーゴールドなどの色素でもあるが、青色や近紫外光から水晶体・黄班部を守ることで、目の抗老化に貢献している。ちなみに卵の黄身の黄色もルテインだ。

 また、スイカやトマトの赤であり、カロテノイドの仲間であるリコピンは、前立腺での組織内濃度が体内で最高である。濃度の低い者が前立腺癌になる傾向が指摘される。女性の場合、低濃度は子宮癌と関係があると言うひともいる。

 ビタミンDは、ステロイド骨格を持ち、肝臓で合成されるから、実はステロイドホルモンそのものである。従って、B群やCのような他の水溶性ビタミンや、脂溶性ビタミンでもビタミンEとは違って、いわゆるメガ・ビタミン療法の対象ではない=大量服用は慎まれている。

 しかしビタミンAが、RxR、つまりレチノイドXレセプターなど6種類のレセプターを全ての細胞に持つのと同様にDにもレセプター(VDR)があり、細胞のシグナル調節に関わっている。つまり、細胞分裂の異常=癌に関係があることは以前から想定されていた。

 Aは上皮細胞の分裂に必要なことはよく知られている。また胃粘液=糖タンパクの合成にも不可欠なものである。従って、肉食民族ではない日本人は慢性的にA不足なので、胃が弱く、服薬で胃がやられる者が多いのである。実際、外人はアスピリンを1.5g飲んでも胃は荒れない。
 また、上皮細胞の分裂を制御するからこそ、最も細胞分裂が盛んなところ=胎児において、シグナル調節が狂っては大変なので、妊婦は大量服用は禁忌なわけである。ちなみにサリドマイドが奇形児を生み出したのも、細胞分裂に影響を与えるからであった。

 で、A=レチノイドは、現在、その誘導体が「急性骨髄性白血病」の第一選択治療薬になっている。しかし、これは裏返して考えれば(単純化し過ぎだという誹りも有り得ようが)、そもそもビタミンA不足でなければ、骨髄での幹細胞からの血球の分裂も正常に行われて=ひいては前骨髄球がきちんと好中球に成熟し、白血病にはならなかったのではないかということになりはしないか。ビタミンDについても「くる病予防」といった小学家庭科・高校保健体育的な知識を、もはやアップデートすべき時が来ているのだ。


 なお、ビタミンDに関しては、以下の専門書・一般書を参考にしてください。

岡野登志夫『ビタミンDと疾患ー基礎と臨床からの考察』 医薬ジャーナル社(2000)


中村・松本・加藤『骨代謝と活性型ビタミンD』ライフ・サイエンス出版(2006)


平柳 要『がん予防に実は「日光浴」が有効なわけービタミンDの驚きの効力』講談社+α新書(2008)


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